特集 Rebirth of Architecture 建築の再生
対談 過去を乗り越える意志を示す建築

今号のフィーチャーは、「建築の再生」。むかしから、建築は手を入れて長い時間使い続けるものだから、テレビでも紹介されるような、古い団地に手を入れて、おしゃれに住みやすくするレシピもある。でも、単にそれだけでない創造もあるのです。新しい命を吹き込み、時に周囲まで巻き込んでいくようなパワーあふれる「建築」が。そんなテーマに迫る、新作から名作まで、設計者の意志から批評まで、誌面に展開します。


作品

京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館) 青木淳・西澤徹夫 設計共同体/松村組/昭和設計
解説:京都市京セラ美術館 青木淳+西澤徹夫
INSIDE VIEW:新旧のバランスを見ながら既存建物をチューニングする 青木淳+西澤徹夫
弘前れんが倉庫美術館 田根剛
解説:時間をデザインして記憶を構築する 田根剛

作品は6題。表紙を飾るのは、青木淳さん、西澤徹夫さんデザインによる「京都市美術館」。杉本博司さんが揶揄するような、かつての六勝寺界隈から間延びしたデパートの屋上的世界への変貌に対して、新たに街へ着地し直させる操作がさわやか。田根剛さんの「弘前れんが倉庫美術館」では、日本の現代建築に対して「もの」への信頼から未来を拡げる思考。青木さん+西澤さん、田根さん、それぞれへのロング・インタヴューも掲載。

192 total pages, 112 in color
ISBN978-4-87140-963-6 C1352
2020
年5月1日発行
¥2,333+税

 

特集
Rebirth of Architecture 建築の再生

   
対談
過去を乗り越える意志を示す建築
西沢立衛+二川由夫



建築家西沢立衛さんが、「京都市美術館」と「弘前れんが倉庫美術館」を現地に訪ね、最前線の建築家ならではの思考でディスカッションしてもらいました。今や、建築は様々な人々が関わる「大事業」。その中で、建築家が差配できる部分は少ないかもしれません。しかし、その中で建築家は何をつくろうとするのか、ステークホルダーの「ステーク」って、賭け金のこと。何をかかげるかと何を賭けるかは通じているのでしょう。

オンタリオ・アート・ギャラリー フランク・O・ゲーリー
パラディアム 磯崎新
リヨン・オペラハウス ジャン・ヌヴェル
カイシャフォーラム・マドリッド ヘルツォーク&ド・ムーロン
オルセー美術館 ACTアーキテクチャー,ガエ・アウレンティ
ドイツ国会議事堂 ノーマン・フォスター
王立オンタリオ美術館増築 ダニエル・リベスキンド
プンタ・デラ・ドガーナ再生計画 安藤忠雄
プラダ財団 OMA
エルプフィルハーモニー・ハンブルグ ヘルツォーク&ド・ムーロン
モスクワ科学技術博物館 石上純也




作品
まごころ学園 長建設計事務所+山下研究室
解説:ヒダヒダにあそび、スベスベにあそべず 山下秀之
記事:小径木でつくる中規模木造公共建築 江尻憲泰
龍谷大学深草キャンパス 成就館 飯田善彦
解説:地域連携するサークル活動の拠点 飯田善彦
松原市民松原図書館 MARU。architecture+鴻池組
解説:環境の中で時間軸を読み込む 高野洋平+森田祥子
國學院大學 総合学修館 日建設計
解説:大小の環境を鋳型に五感を刺激する場を創る 浦俊弥+福井貴英
INSIDE VIEW:三つの建築的エレメントをコントロールして場を開く 浦俊弥+福井貴英

長建+山下秀之さんの「まごころ学園」は、豪雪地帯で在来木造を駆使して、利用者の居場所をつくり込む試み。これまで数作に渡って重ねられてきた構造家を含めたヴォキャブラリーの開発が、造形に結実しています。飯田善彦さんの「龍谷大学深草キャンパス 成就館」は、閉じがちな大学空間をヴォイドによって周りに接続させています。MARU。architectureの「松原市民松原図書館」は畿内の風景に古墳のような公共建築を建て、日建設計の「國學院大學 総合学修館(6号館)」では、都心の低層市街地で方位などによる周りとの接し方の違いを建築の形にまとめています。





PLOT
「森の幼稚園」編
設計:石上純也
語り手:石上純也
phase 1
子どもの世界の具体性を考える
極細フレーム+極薄膜の実験」編

語り手:佐藤淳
phase 2
高さ10mへの挑戦
「都市的プロジェクトについて」編
設計:藤本壮介
語り手:藤本壮介
phase 1
個人と公共が繋がる空間

設計プロセスをレポートするPLOTは3題。中国でのプロジェクトが続々進行中の石上純也さんの「森の幼稚園」では、実施設計が着実に進むと共に、建築家の頭の中がいかに具現化していくかを垣間見れます。佐藤淳さんの超軽量構造はスタディを重ね、実際の建築物への視点が見えてきます。そして、藤本壮介さんにはネットで報じられる、一見、大事業の一部分のような海外コンペでの思考について、チャレンジし始めてから気付いていったことについて語ってもらいました。


連載
エッセイ 地球の景色33 藤本壮介
立衛散考 西沢立衛




GA広場
まちと学校をつなぐ、ナギヒロバとまちかどヒロバ
畝森泰行・丹羽雅人

自然との共存を感じられる震災ミュージアム

大西麻貴・百田有希

〈光のカーテン〉としての離散型ルーバー

矢野雅規

屋根と柱と自由なピロティ

南俊允