特集 [臺中國家歌劇院 盛大開幕]
11年の時を経て、9月30日にグランド・オープンを迎えたのを期に語り合う


表紙は、10年越しで完成した「台中国家歌劇院」での伊東豊雄さん。まさに洞窟のような場所にたたずみながら、静かに(いや大声で、と言うべきか)問いを発しているようです。沢山の人々で賑わうこの建物は、まぎれもなく「せんだいメディアテーク」以降に展開された伊東建築のマイルストーン。その存在感を、誌面から感じていただけると思います。

176 total pages, 92 in color
ISBN978-4-87140-942-1 C1352
2016
年11月1日発行
¥2,333+税

 
特集
[臺中國家歌劇院 盛大開幕]
11年の時を経て、9月30日にグランド・オープンを迎えたのを期に語り合う






[伊東豊雄が語る]対談伊東豊雄× 二川由夫
完成してみてどうだったか


11年の歳月を経て、遂に完成した「台中国家歌劇院」。
「せんだいメディアテーク」以降の伊東建築のマイルストーンになりえるのか。






[エンジニアが語る]対談:金田充弘 × 小渕祐介
「台中」の幾何学の意味とは


形態の最適化 ショットクリートからトラスウォールへ 「つくり方」の問題ジャイロイド刑務所と裁判所 ハリボテ嫌い グローバル化と地域の独自性 厚さ400mm 建築的探究としての意義 Function follows form






[若手建築家が語る]座談会中山英之 × 吉村靖孝 × 勝矢武之
「台中」をどう受け止めるか


三者三様の「台中」評建築におけるプライマリーとセカンダリー人間が建築をつくることの矜持建築的図式の反転ウワバミとゾウ連続的な全体性の断面単一システムに収斂することの是非合目的ではない目的空間カビ系建築にできること





[伊東豊雄の右腕が語る]語り手泉洋子
「台中」完成秘話


特集も、「台中」に関連するインタビューや座談会を4つ。伊東さん本人に現地で伺った率直なお話では、「これからのこと」が初心とともに語られています。一方、遠い世界のように感じるけれど、三〇、四〇才世代の若手建築家が自分たちに引きつけて「台中」をどう考えたか。吉村靖孝さん、中山英之さん、勝矢武之さんに、三者三様の視点から議論してもらいました。また、ザハ・ハディドのクリエーションなど、世界最先端の設計を身近で研究活動されてきた小渕祐介さんと、「台中」の構造を担当された金田充弘さんには、構造システムとその技術的、社会的意味について語り合っていただきました。最後に伊東建築を支えてきた泉洋子さんに、「台中」誕生の舞台裏と伊東事務所の運営術のこれまでを明かしていただきました。


作品
Good Job ! Center KASHIBA
Good Job ! Center KASHIBA/STUDIO
大西麻貴+百田有希
解説:「Good Job! Centerとは」 大西麻貴+百田有希
銅屋根、栗百本 藤森照信+中谷弘志
解説:「丘のような建築群」 藤森照信
INSIDE VIEW:「建築の根源を突き詰めて庭的なものを考える」 藤森照信
多治見市モザイクタイルミュージアム 藤森照信
解説:「不思議な光景」 藤森照信
GLA中京会館 岸和郎・竹中工務店
解説:「GLA中京会館」 岸和郎
大西学園中学校・高等学校 竹中工務店
解説:「広場を媒介にした不均質な透明性の獲得」 金井謙介
INSIDE VIEW:「性能を確保する孔の設計」 金井謙介

作品は6プロジェクト、建物は9件の豪華ラインナップ。詳しくは誌面を見ていただくとして、意外なことにどれも「洞窟」テーマで読めなくもありません。建築の内と外の基本概念がアップデートする兆しがあるのかも……。o+hによる「Good Job ! センター」は内と外を同じ論理で考え、伊東さん越えを試み、藤森照信さんは伊東さんの初心を語りながら、建築の根源への探求を押し進めています。岸和郎さんは孔が天に抜けていくような建築を考え、竹中工務店は技術的裏付けを持って孔が広場に転換します。

PLOT
「Ginza natsuno R blg」編
設計:TNA、
語り手:武井誠・鍋島千恵・小西泰孝
100mm角の無垢鋼柱によるチューブ構造

連載
エッセイ
地球の景色 12
藤本壮介
ロボットはコンピュータの夢をかたちにするか?16 アンズスタジオ
二川幸夫の眼 15 隈研吾

GA広場
現代ならではの木造の自由曲面屋根
とらのこ保育園
山下貴成+平岩良之
環境的な可動スクリーンをデザインする
台北天母レジデンス
山本理顕+蜂屋景二
血縁を越えた家族像を具体化する内庭と外庭
おおきな家
針谷將史

GA広場では、山下貴成さんによる木造サンドイッチパネルの自由曲面屋根を持つ保育園プロジェクトを紹介。下部構造も工夫することで、室内からも一枚屋根を感じられるように考えています。技術的にもコンピュテーションとローテックを上手く組み合わせているところが面白い。山本理顕さんの集合住宅は、一見、スタイリッシュでミニマルなプレートの表現ですが、庇や軒、格子戸といった気候的なカルチャーを、伝統的なヴォキャブラリーでなく扱おうとしたプロジェクトです。針谷將史さんのプロジェクトは、最近ハヤリの屋根型ヴォリュームの分棟配置かと思いきや、実はもっとオープンで公園や縁側的なダイアグラムで考えているようです。