特別企画 [総括と展望] 建築2015/2016
特集 [今日のデザイン輸出事情〜Bye Bye Nippon!]
現代建築を巡るデザイン輸出,および国外脱出について,7人の識者が語る


表紙は、妹島和世さんと西沢立衛さんがアメリカ東海岸に完成させた「グレイス・ファームズ」。森林や水辺のある自然豊かな環境の中に邸宅が点在するような場所で、放牧地だった傾斜地に「川」のように建物が流れています。公園の建物のようにオープンでいて、実はアメリカらしい落ち着きのあるインテリアも求められた仕事。設計途中で池の周りまで広く廻廊状につながる案もあったように、屋内外の様々なプログラムをむすびつける風景や地形が意図された大屋根。大屋根の下には場所ごとに異なる風景に面する、心地よいラウンジから庇の下の外部のようなスペースまで展開していきます。本編では観音開きで大きく紹介していますのでお見逃しなく。

180 total pages, 90 in color
ISBN978-4-87140-937-7 C1352
2016
11日発行
¥2,333+税

 
作品



グレイス・ファームズ SANAA
解説 吉田昌平/SANAA
森の教会 安藤忠雄
解説:「森の教会」 安藤忠雄
直島ホール 三分一博志
解説:「風と水と太陽の島 直島」 三分一博志
アストラムライン 新白島駅 小嶋一浩+
赤松佳珠子
解説:「自然光が降り注ぐ開放的な地下駅」 小嶋一浩+赤松佳珠子
SOGOKAGU DESIGN LAB 隈研吾
解説:「脱フレームを図れるワークショップ」 隈研吾

作品は5題。安藤忠雄さんの「森の教会」は、コンクリートの壁沿いに伸びていく小径に沿って、鉄やガラスに覆われた場所が点在しています。オブジェ同士のコンポジションでなく、空間的抑揚から生まれたような空間が、クライアントの祈りのためのスペースになっています。
三分一博志さんの「直島ホール」は、町の公民館的な建物。一般的にスポーツ的なホールと文化的なホールは相容れませんが、地域のコンテクストに応える中で、見事に統合しています。CAtの「新白島駅」と隈研吾さんの「SOGOKAGU DESIGN LAB」も含め、固定的なインテリア・スペースというわけでなく、建築はもっとやわらかいものとしてデザインできるのではないかと思わされてしまうプロジェクトです。

特別企画
[総括と展望]2015/2016
[座談会] 小嶋一浩・日埜直彦・中山英之・二川由夫
オプティマイゼーションの先に顕れた多様さ バラックではないDIY 「ぎふ」の凄み 日本だからこそできることがある 伏流としてのDIY 建築ハッカー 現代の建築生産システムへの適応法 手作り模型と3Dプリントの違い シリコンバレーの建築ブームと日本のサラリーマンの住宅欲 日本人建築家の新たな展開 日建設計の現在 「ウサギ小屋」が羨望の的に!? グローバリズムの次に来る面白いテーマの探求

新年号恒例の「総括と展望」座談会。今年は変則的に3人のゲストをお迎えしました。正直なところ、この数年、こじんまりした閉塞感を感じることが多かったのですが、今年は違います!話すことも考えることも、ありうべき空間/場所像もある、という印象です。それ故に、「つくり方」への関心が浮かび上がったような……そんな座談会。年末年始のお休みに是非。

特集
[今日のデザイン輸出事情 〜Bye Bye Nippon !]
現代建築を巡るデザイン輸出、および国外脱出について,7人の識者が語る

特集「今日のデザイン輸出事情」では、フラット化するかに思われた世界で活動する7人に登場いただきました。内4人は海外拠点の事務所に所属しておられるので、国内からだけでは見えない視点が目白押しです。「どこでも同じように活動すればいい」ではなく、国境の電位差があるからこそ見えてくることもあるようです。



01 早野洋介/MADアーキテクツ 

[アジアから文化的境界を変換、
 そして実現する]

根源的な建築文化の差異
現代における中国の意味IT時代とアジア建築を支える文化文化的境界を新たにしていく


02 楠寛子/モロー・クスノキ・アーキテクツ

[建築家の責任と役割、国境越しに見えること]

日本人はフランスで仕事しやすい?設計業を経営するということ異文化の並存が武器になるヨーロッパの「建築実務」のキモフランスでの建築家の責任


03 石上純也/石上純也建築設計事務所 

[世界の解像度の変化がもたらす
  特殊性から多様な個性へのシフト]

建築言語の変化外国語としての自然さ抽象化の再考


04 佐藤オオキ/nendo 

[デザインの自由さと新たな気付きの広がり]

デザイナーへの道海外で「のびのびさ」に衝撃を受ける日本と海外の違いとはブランドという考え方デザイナー活動の分岐点技術と場所とコンセプト


05 山梨知彦/日建設計 

[世界進出のモチベーション
  —建築で世界は変わるか]

海外進出の根幹はモチベーションいつのまにか世界トップ5海外進出におけるゼネコンと日建設計の違い不確実な未来に備える4つのシナリオ戦略の変化―両極から多極睨みへM&Aでなく業務提携世界で勝ち残るための新たな設計手法社会が建築を変える? 建築で社会を変えてみたい


06 金田充弘/Arup 

[日本の特殊性と展開のヴィジョン]

何人までがアトリエ事務所か?設計事務所のあり方の違い国境を越えるサポートでの戦略世界展開のイメージ設計事務所の多様性日本ならではの土俵Googleにステップアップするには


07 梅澤高明/A.T.カーニー 

[デザインによる革新で、日本から世界へ]

アップデート中の「クールジャパン」東京発、世界へ日本の建築の競争力コンセプト・メイキングの扱いに不慣れなマーケット共創の可能性複合的都市開発の世界でのポテンシャル

PLOT
「山元町役場新庁舎」編
設計:CAt + SOY source、
語り手:小嶋一浩・赤松佳珠子・大村真也
phase 2
基本設計案への紆余曲折
「京都府新総合資料館(仮称)」編
設計:飯田善彦、
語り手:飯田善彦・渡邉文隆
phase 2
実施設計〜空間をつくる詳細

記事もニュースも、「つくること」が建築の発想にどう関わるか、新たなヒントが山積みです。アンズスタジオの連載は、工学的な「形の扱い方/最適化/決定手法」と建築創造の関係が主題。東京大学DFLのパヴィリオンでは、大量生産でないことと人の手でつくることの関係が、再び最先端の課題になりつつあるようです。2つの「PLOT」でも、作品と思考をつなぐ部分が露になっていて、とても刺激的な内容になりました。

時評
エッセイ
地球の景色 7
藤本壮介


連載
二川幸夫の眼 11 山本理顕

GA広場
公園を拡張するパブリックな建築空間
ブダペスト新国立ギャラリー
SANAA
パラパラ加減が進化したノマド・ハウスとしての木組
YURE
大庭晋、荒木海威、ドラゴミール・ロジーナ
GAギャラリー通信
GA JAPAN 2015「PLOT 設計のプロセス」展
編集部
人の動きを活かすITと機械
TOCA (Tool Operated Choreographed Architecture)
東京大学DFL
連載
ロボットはコンピュータの夢をかたちにするか?11
アンズスタジオ