特集 [歴史観なき現代建築に未来はない]
新連載
「空間のディテール」1 高橋てい一/第一工房

特集
[歴史観なき現代建築に未来はない]

特集は、「歴史観なき現代建築に未来はない」。裏話を暴露してしまえば、次世代の歴史家の動きをピックアップできるのでは、と安直に考えていました。しかし、リサーチをすればするほど、この社会の歴史的な感覚に対する、様々な思い(脱力感、喪失感、時に新たなる時代の幕開け・・・)が交錯してくる始末。1990年代以降の新しい地政学的展開の中で、歴史がどのような力を発揮し始めるのか。「今さら聞けない」ことと思いつつ、実は全く新しいフェイズの話なのかもしれません。ぜひ、読者のみなさまと一緒に考えてみたいテーマです。

原広司 建築家/東京大学名誉教授
歴史家の向き合う三つの現代的課題
「micro-」概念の現代性空間概念が変容する時、建築は

鈴木博之 
建築史家/青山学院大学教授、博物館明治村館長
建築=ヴァーチャルなモノ
「モダニズム」と違う流れケース・ヒストリーとしての日本建築史官制の教科書とは違う歴史歴史の不在と日本の独自性「佇まい」ではなく「骨」

豊川斎赫 
建築家・建築史家/国立小山工業高等専門学校建築学科准教授
『錯乱のニューヨーク』に匹敵するもの
自らの規律を見い出すカローラではなくレクサス日本の伝統に対する丹下の関心アンビバレントな丹下像立面へのこだわり「ISOZAKI」の存在

加藤耕一 
建築史家/東京大学大学院准教授
20世紀の特異性
構築的な歴史建築史の未来とは歴史観と価値観

米田明 
建築家/アーキテクトン主宰、京都工芸繊維大学准教授
第二次世界大戦後の日本の近代
日本建築の「浮游感」真性ポストモダンと1930年代日本建築に見られる両義性1930年代の議論と伝統論争ポスト・キャンティレバーの展開

中島直人 
都市史家/慶應義塾大学環境情報学部准教授
なぜ、都市史が人気なのか日常の歴史建築家の都市観・歴史観計画が歴史と一体化する?


作品
マルセイユ現代美術センター 隈 研吾

隈研吾さんの「マルセイユ現代美術センター」を覆うエナメルガラス・パネルの、不思議な素材感と浮遊感が感じられるイメージは、今号の通奏低音となって、歴史や土地の問題、建築を支える社会のありようを、呼び起こさせるような気がします。手堅くも堅実な建築的手腕のうえに、未来、時空へとかかげられた建築のファサード・・・。

新潟市秋葉区文化会館 新居千秋

新居千秋さんの建築が、GAに久々の登場! 以前の取材の時に、住民参加と現代的なプログラム、それと建築の成り立ちを、正面から考えようとしていたことが印象的でした。その方法が、コンピュータも用いながら、どのようにまとめ上げられていったのか。非常に明快に示されています。「どうして、あのような複雑そうな建築が実現できるのか」、、、みんな聞きたかったことにも答えていただいています。

ブザンソン芸術アートセンター 隈 研吾
寿月堂 銀座歌舞伎座店 隈 研吾
葺田パヴィリオン 西沢立衛
ロングインタヴュー
「校舎の改装から、〈天狗〉のような
パヴィリオンが生まれるまで」
西沢立衛
七ヶ浜町立遠山保育所 高橋一平


時評
エッセイ
〈森のような建築〉の現在形
藤本壮介
エッセイ
地球の細道 89 安西水丸


GA SCHOOL
「釜石市鵜住居地区学校」編
設計:CAt、
語り手:小嶋一浩・赤松佳珠子・山雄和真
phase 1
プロポーザル

PLOTには、小嶋一浩さん+赤松佳珠子さんの、新しい学校プロジェクトが登場。これまで、少々専門的になりすぎていた感もある学校建築が、被災地の文脈の中とはいえ、再度、具体的な場所の中から立ち上がっていく雰囲気が、ドキドキ感のある中から語られます。そんなプロセスから生まれた建築の姿は、CAtの新たな展開を予感させます。

「みんなの森 ぎふメディアコスモス」編
設計:伊東豊雄、
語り手:伊東豊雄+S.S.
phase 2
実施設計へ至るプロセス
Museum+ West Kowloon Cultural District」編
設計:伊東豊雄、
語り手:伊東豊雄+S.S.
Air Factory / Air Forest / Air Cloud
「鶴岡市文化会館」編
設計:妹島・新穂・石川共同体、
語り手:妹島和世・西沢立衛・池田賢
phase 2
基本設計


GA SCHOOL
新連載「空間のディテール」1 高橋てい一/第一工房
 - 藤森照信に訊く 建築家、高橋てい一とは誰か


新連載は、日本建築界で最も経験豊かな建築家の一人である、高橋てい一さんが「空間のディテール」に登場。2011年に最近作「白河市立図書館」を完成させた時も、生粋のモダニストとして、場所と佇まい、構造や機能をまとめ上げる空間のディテールを追求されていました。これまであまり語られてこなかったことですが、建築について思考する高橋さんのポジティブなエネルギーが伝わると嬉しいです。

現代の建築家 15「吉田五十八」
井上章一


GA広場
「マルチビスタを意識させる公園」
葛飾にいじゅくみらい公園
桑原立郎・高池葉子
「地形に沿わせた建築に
 新たに埋め込まれた空間」
軽井沢千住博美術館 The Fall room
西沢立衛
「風と水、流体の建築とは」
風と水のコクピット
三分一博志
200 total pages, 76 in color
ISBN978-4-87140-923-0 C1352
2013
91日発行
¥2,333+税